カスタムエージェントとカスタムプロンプト:文体が分かる専属編集者をAIに付ける(2026年チュートリアル)
同じ「膨らませて」でも、敏腕編集者が書くのと既定のAIが書くのでは別物。カスタムエージェント(ペルソナ)とカスタムプロンプトの4つの項目の書き方、ペルソナの注入順、紐づけルール、有効なモードを、公式テンプレートと画面例で解説します。
この記事の目次 11セクション
AIに書かせる前に、毎回こんな一文を打ち込んでいませんか。「番茄の痛快路線のテンポで、短い文を多く使って、書き言葉すぎないように、主人公は少しやんちゃで……」——1回なら問題ありませんが、100回になると心が折れます。
カスタムエージェント(ペルソナとも呼ばれます)は、そうした繰り返しを終わらせるためのものです。ペルソナを1回書き、特定のAIに紐づければ、以後そのAIはこのペルソナに沿って働くので、会話のたびに伝え直す必要がありません。この記事では、これと「カスタムプロンプト」をまとめて解説します。
要点
- カスタムエージェント=固定のペルソナのプロンプト+特定のエージェントへの紐づけで、AIに長期にわたって設定したスタイルで書かせる。
- ペルソナの紹介こそが「カスタムプロンプト」の本体で、エージェントのシステムプロンプトのいちばん前に置かれ、最上位の指針になる。
- 注入の順序は固定:ペルソナの紹介(最前)+エージェント本来のプロンプト+関連ドキュメント(末尾)。
- 各エージェントには同時に1つのエージェントしか紐づけられない。ペルソナは、マルチエージェント、シングルエージェント、スキルの3つのモードでのみ注入される。
カスタムエージェントとは?
カスタムエージェントは、再利用できる「AIの役割」です。ペルソナを書いて特定のエージェントに紐づければ、AIはその身分とスタイルで、安定して執筆タスクをこなします。 入口は、執筆ページ右側のAIアシスタントのパネルで、歯車の「AI機能管理」をクリックし、「エージェント」タブに切り替えます。
いちばん上のカードには「現在有効なエージェント」が表示され、その下にあなたのエージェントの一覧と編集エリアがあります。各エージェントは個別に有効化/無効化でき、異なるエージェントに紐づけられます。

簡単に言えば、「スタイルの指示」を、一度きりの会話から、保存でき、再利用でき、切り替えられる設定へと格上げしたものです。ある作品には「番茄文体」を、別の作品には「知乎の理性的な口調」を設定でき、互いに干渉しません。
カスタムプロンプトは、なぜ「毎回伝える」より優れているのか?
ペルソナのプロンプトは「システムレベル」の指示で、会話欄でその場で言うことよりも、重みが高く、より安定しているからです。 その場の伝達は、後の会話で薄まり、AIは書き進めるうちに忘れてしまいます。一方、ペルソナの紹介は、毎回システムプロンプトのいちばん前に置かれ、最上位の制約として効き続けます。
これが「カスタムプロンプト」の価値です。一度定義すれば、全体に効き、優先度が最も高い。10往復前に言ったスタイルの要求をAIが「覚えているかどうか」に、もう頼らなくて済みます。
独自の視点: 多くの人は、プロンプトエンジニアリングを「指示をより長く書くこと」と捉えています。実はもっと重要なのは、「指示を正しい階層に置くこと」です。同じスタイルの要求でも、会話の中に書けば提案で、ペルソナの紹介に書けば規則です——位置が変われば、拘束力はまったく違います。
プロンプトの書き方を体系的に学びたい場合は、AI執筆プロンプトガイドを読んでください。
いちばん手早い始め方:公式エージェントをインポートする
プロンプトをゼロから書きたくない? 「公式エージェント」をクリックすると、Maliangが用意した既成のテンプレートがあります。 ウェブ小説で最もよくあるいくつかのニーズをカバーしており、インポートしてすぐ使えます。

現在は、次のものが含まれます。「AI臭さ除去の達人」はAI調の改善に特化、「番茄文体エージェント」は番茄の痛快路線のテンポに合わせる、「知乎文体エージェント」は理性的な叙述寄り、「黄金の3章エージェント」は冒頭のフックに特化、「融合模倣エージェント」は複数の参考作品のスタイルを混ぜ合わせます。
「インポート」をクリックすれば使えます。公式エージェントが参照するのは公式ドキュメント(読み取り専用で、あなたのフォルダにはコピーされません)で、インポート後は、紹介や紐づけを変更でき、テンプレートとして二次加工できます。これが最も手早い道です——まず最も近いものを1つインポートし、自分の作品に合わせて微調整します。
自分でエージェントを作る:記入する4つの項目
「追加」をクリックすると、編集エリアが開き、記入するのは実は4つのブロックだけです。 項目は多くありませんが、どれもAIの出来に直接影響します。

1つめはエージェントのタイトルで、見分けられる名前を付けます。たとえば「敏腕ウェブ小説編集者・老猫」。2つめはエージェントの紹介(ペルソナのプロンプト)で、これがカスタムプロンプトの本体です。ペルソナ、口調、専門、仕事の進め方をはっきり書きます。3つめは適用するエージェントで、このペルソナをどのエージェントに作用させるかにチェックを入れます(スーパーバイザー、アーキテクト、ブループリント、設定、執筆、修正、レビュー、スキル)。4つめは関連ドキュメント(任意)で、左側のドキュメントツリーからドラッグして入れた資料は、参考資料として扱われます。
重要なリマインド: 紹介が空だと、何も注入されません。ペルソナを効かせたいなら、紹介は必ず書いてください——これは、初心者が最も踏みやすい「設定したのに、していないのと同じ」の落とし穴です。
完全な手順はカスタムエージェントのチュートリアルを見てください。
プロンプト(紹介)はどう書けば効くのか?
よいペルソナのプロンプトは「実行できる」ものであるべきで、「聞こえがいい」だけではいけません。 4段構成のテンプレートをお渡しするので、これに沿って埋めれば空っぽになりません。
1段目は身分を書く:「あなたは番茄で10年深く携わってきた敏腕ウェブ小説編集者です。」2段目は専門を書く:「黄金の3章の冒頭のフック、テンポの制御、爽快ポイントの設計が得意です。」3段目はスタイルの厳格な要求を書く:「短い文と動作描写を多く使い、AI調と空虚な形容詞は避ける。」4段目は仕事の進め方を書く:「毎回、読者が最も気にする対立だけに焦点を当て、まずフックを投げてから背景を補う。」
実測の比較: 「もっと素晴らしく書いて」のような指示は、AIにはほとんど受け止められません。実行できる基準がないからです。一方、「各段落は3行以内、会話が半分、動作動詞を優先」といった数値化した要求なら、AIは安定して実行に移せます。具体的なほど、出力は制御しやすくなります。
注入の順序:ペルソナ、エージェント、関連ドキュメント、どれが前か?
この順序は固定されており、これを理解すると、「なぜ自分のペルソナが、エージェントの既定の動作を抑えられないことがあるのか」を判断できます。 最終的に組み上がるシステムプロンプトは、こうなります。
最終的なシステムプロンプト = ペルソナの紹介(最前)+ エージェント本来のシステムプロンプト + 関連ドキュメント(末尾)
ペルソナの紹介は最前にあり、最上位の指針です。エージェント本来のプロンプトは中間にあり、そのエージェントがすべき仕事をきちんと担わせます。関連ドキュメントは末尾にあり、参考資料になります(文体のサンプル、用語集、執筆の規範を置くのに向きます)。
独自のリマインド: ペルソナに既定のスタイルを強く上書きさせたいなら、スタイルの厳格な要求を「紹介」に書きます。AIに調べられる資料を渡したいだけなら、「関連ドキュメント」に置けば十分です。サンプルのドキュメントを指示と取り違えて紹介に詰め込むと、かえって中核の要求が薄まります。
紐づけのルール:1つのAgentには、同時に1つのカスタムエージェントしか紐づけられない
これが最も踏みやすいルールです。各Agentには、同時に1つのカスタムエージェントしか紐づけられません。 新しいエージェントを、すでに別のエージェントに使われているエージェントにチェックすると、保存後に、元の紐づけが自動で解除されます。
言い換えれば、「執筆エージェント」がどのペルソナを使うかは、最後に保存したものが決めます。異なるエージェントに異なるペルソナを設定したい(たとえば「黄金の3章」を冒頭に、「番茄文体」を本文に)なら、複数のエージェントを作り、それぞれ紐づければ済みます。
紐づけが有効になると、AIアシスタント上部のタイトルが「既定のエージェント」から、紐づけた名前に変わります。マルチエージェントモードでは、上部に表示されるのは、スーパーバイザー(supervisor)に紐づけたものです。
どのモードでペルソナが注入され、どれで注入されないか?
すべての執筆の操作でペルソナが注入されるわけではありません。この表を覚えておくと、「なぜ効かないのか」という戸惑いの多くを省けます。 ペルソナの有効範囲には境界があります。
| モード/操作 | ペルソナを注入するか |
|---|---|
| マルチエージェントモード | 注入する |
| シングルエージェントモード | 注入する |
| スキル(Skill)モード | 注入する |
| 純粋なチャット(chat)モード | 注入しない |
| ワンクリックAI臭さ除去/ワンクリック作品作成など、一気通貫のワークフロー | 注入しない |
もう1つ前提があります。エージェントが「有効」の状態でなければなりません(タイトルの横のスイッチがオン)。これらの一気通貫のワークフローには、それぞれ固定の流れがあるので、ペルソナの注入を通りません——これは設計どおりで、バグではありません。
コンテキスト装配、可視性とはどう連携するか?
3つはそれぞれの役割を担い、重ねて使うのが最高です。 カスタムエージェントは「AIがどのペルソナ、どのスタイルで書くか」を管理し、コンテキスト装配は「AIに小説の資料をどれだけ渡すか」を管理し、設定の可視性は「どの具体的な資料をAIに見せられるか」を管理します。
組み合わせの例:「黄金の3章エージェント」を紐づけて冒頭を担当させ、コンテキスト装配で「今の巻の章プロット+キャラクターは名前のみ」だけを渡してクレジットを節約し、さらに設定の可視性で最終的などんでん返しを隠します。この一式を設定すれば、AIはプロのペルソナを持ちながら、脇道にそれず、ネタバレもせず、お金も節約できます。
応用の使い方: ペルソナを長編創作フレームワークと組み合わせ、作品全体に「主筆のペルソナ」を1つ定めて文体を統一し、特別な章に対してだけ一時的にペルソナを切り替えれば、長編の声が安定します。
よくある質問
Q:カスタムエージェントと、会話の中に直接要求を書くのとでは、何が違いますか?
違いは階層と持続性です。会話の中の要求は一時的で、後の会話で薄まります。ペルソナの紹介はシステムレベルで、毎回最前に置かれ、優先度が最も高い。ひとことで言えば、会話は提案、ペルソナは規則であり、1回設定すれば長期的に有効です。
Q:同じ作品に、複数のエージェントを設定できますか?
できます。複数のエージェントを作り、それぞれ別のエージェントに紐づけられます(たとえば冒頭は「黄金の3章」、本文は「番茄文体」)。ただし、各エージェントには同時に1つのエージェントしか紐づけられず、重複して紐づけると、古いものが自動で解除される点に注意してください。
Q:インポート/作成したエージェントが、効いていない気がするのはなぜですか?
まず3点を確認してください。1つめは紹介が空でないか(空の紹介は注入されません)、2つめはエージェントが「有効」か、3つめは現在使っているモード——純粋なチャットとワンクリックのワークフローではペルソナは注入されません。3点とも合っているのに効かない場合は、上部のタイトルが、紐づけたエージェントの名前に変わっているかを確認してください。
Q:関連ドキュメントはトークンを消費しますか? 控えるべきですか?
消費します。関連ドキュメントはシステムプロンプトの末尾に追加され、内容が長いほど多く占有します。簡潔な文体のサンプル、用語集、執筆の規範だけを入れ、章全体の本文は入れないことをお勧めします。トークンを節約したいなら、コンテキスト装配のクレジット節約配分と合わせて調整できます。
Q:公式エージェントは変更できますか? 公式テンプレートに影響しませんか?
変更でき、公式テンプレートには影響しません。公式エージェントが参照するのは読み取り専用の公式ドキュメントで、インポート後はあなた自身のコピーです。紹介や紐づけを変更しても、あなたのコピーにだけ作用し、元のテンプレートは影響を受けません。
最後に
AIによく書かせるための最初の一歩は、より強いモデルに替えることではなく、「あなたは誰で、どう書くのか」を伝えることです。カスタムエージェントはこの一言を設定として固定し、カスタムプロンプトはそれを最高の優先度に置きます——以後、AIは安定した声を持ちます。
まず公式エージェントから、あなたの作品に最も近いテンプレートを1つインポートし、4段構成のテンプレートに沿って紹介を書き換え、執筆エージェントに紐づければ、すぐに文体の変化を感じられます。コンテキスト装配と設定の可視性を組み合わせれば、あなたのAI執筆チームは正式に結成されたことになります。